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その4(りらく2011年6月号)
岩魚

3月から9月までの7ヶ月間、私のアウトドアライフの中でも中心となるのが渓流釣りです。宮城県内には二口渓谷をはじめ渓流釣りができる川がたくさんあります。「清流に魚棲まず」という諺(ことわざ)がありますが、実際には岩魚(イワナ)や山女(ヤマメ)などのマス科の魚が棲んでいます。どちらも流線型の綺麗な魚体で、特にヤマメは胴体全体にバーマークという楕円形の紋様があり宝石のように美しい魚です。岩魚も褐色の体全体に白い斑点があり可愛らしい顔つきをしています。どちらも美味。

私は今回の大津波で大きな被害を受けた名取市閖上の生まれで、子どもの頃は毎日竹竿を片手にハヤやハゼ、カレイなどを釣りに海に出かけていました。その頃の閖上は、小さな子どもでも餌を付けて釣り糸を垂らせばいつでもどこでも魚がかかったものです。

山女

一時はあんなにも熱中していた釣りですが、中学生になるといつの間にか遠ざかり、それ以後は縁遠いものになっていました。10年ほど前、当時中学生だった息子が「釣りをしたい」と言うので、竿や仕掛、エサなど最小限必要な道具一式を調達し、ハイキングがてら渓流釣りに出かけました。最初は果たして釣れるものかと半信半疑でしたが、なんと岩魚が釣れたのです。渓流魚は警戒心が極めて強く、人の気配を感じただけで岩陰に隠れてしまい、そう簡単には釣れないのですが、ビギナーズラックだったのでしょう。山奥の、岩が点在する小さな渓流に野生の岩魚が棲んでいること自体驚きでした。以来息子よりも私のほうが、渓流釣りの魅力に取りつかれてしまったのです。

渓流釣りを始めたことで、趣味のキャンプや山歩きはさらに魅力的なものになりました。ザックにテントや釣竿を入れ、山道や渓流を歩いて魚がいるポイントまで言って釣りをし、日が暮れたら山中にテントを張ってキャンプをします。街中で忙しく仕事に追われる生活から抜け出し、自然の中に身を委ねるひとときは、何とも心地よいものです。


税のお話ですが、今回は国の予算についてお話しましょう。ご存知の通り、日本の国家予算は毎年1月から3月の間に開催される通常国会で審議され、国会の決議を経て成立し、4月からその予算に基づいて福祉や教育など様々な行政サービスが執行されることになっています。しかし平成23年度予算は3月29日に既に成立しているのですが、ねじれ国会の為税制改正などの予算関連法案は未だ成立の目処すら立っていません。

国の予算は収入と支出からなっており、収入とは基本的には税金です。税収が足らないとなると国は国債などの借金で必要な財源を確保するのですが、その借金もいずれは税収から返済することになるのです。私達国民はこのことをきちんと自覚しておく必要があると思います。
実は、今年の税制改正では相続税や法人税などについて大きな改正が予定されており、中でも相続税に関しては基礎控除額の引き下げなど我々一般市民にも直接影響が出そうな改正が含まれています。

しかし前述の通り新年度に入っても税制改正法案が成立しておらず、これまでの税制が引き続き適用されています。
一方で、今年は東日本大震災により東北地方を中心に大変な被害が生じました。港湾施設や道路などの公共施設も沿岸部を中心に大きく破壊され、復旧には莫大な経費がかかることが予想されます。加えて新たな防災対策や福島原発事故関連の補償問題など大規模な支出も免れないでしょう。先日補正予算を組んでその対応に乗り出してはいますが、国の財政負担が大きく膨れあがることは避けられない状況です。
「埋蔵金」が未だ国の金庫に残っていれば別ですが、このような経済状況の中、我々国民一人ひとりがこれらの財源を今後どうすればよいのかを、もっと真剣に考えていく必要があると思っています。

「りらく6月号」掲載

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