大分春めいてきましたが、今年の冬は寒い日が多かったですね。毎年、仲間と雪山の中でテントを張って過ごす「雪中キャンプ」も今年は少し趣が異なりました。
当日は風が強く恒例の焚き火の後は早々にテントに引き揚げてシュラフ(寝袋)に潜り込みました。明け方、目が覚めると外は強風が吹き荒れています。キャンプサイトは、標高8百メートル程の山林の中ですが、遠くの山の尾根の方から「ゴォーッ」と風の音が聞こえると、しばらくしてその風がこちらにもやってきてテントにぶつかって大きくしなります。テントが大きく揺れると、内側一面に結露して白く凍った霜が顔に落ちてくるのですが、これも真冬のキャンプならではのことです。
例年ですと、外が明るくなったら再び焚き火をおこして暖を取りながら朝食をとるのですが、今回は夜通し強風が吹き荒れ、前の晩に掘ってあった焚き火コーナーも雪で埋もれてしまいました。強風もなかなか収まらず、結局朝の焚き火は中止とし、朝食はテントの中でとることにしました。
1畳程の狭いテントの中で相棒と2人で分担して調理に取りかかります。テントの出入り口付近に携帯用のガスバーナーを置いてお湯を沸かし、先ずは熱いコーヒーを一杯。次いでほんとは焚き火で焼いて食べるはずだったウィンナーをアルミの鍋に入れてボイル。パンも弱火にしたストーブの火で炙ります。焦げ目が付いてくると香ばしい匂いがテント内に広がります。また昨晩焚き火で煮込んで埋めておいたスパイシーなオニオンスープを雪の中から掘り出して温めます。キャンプでは調理も状況に合わせて臨機応変に行うことが大切で、それがまたアウトドアの楽しさでもあります。焚火はできませんでしたが温かい朝食で身も心も温まりました。
話しは変わって、税金のお話しです。今年の税制改正法案は、この原稿を書いている3月上旬現在未だ国会で審議中ですが、その内容に関しては、ほぼ原案通り決まりそうな見込となっています。
その改正案のうち相続税や贈与税の主な改正点を何回かに分けてご紹介していきます。先ず相続税ですが、今回の改正では、一部相続人である未成年者の方や障がい者の方に対する税額控除額の増額等がなされていますが、全体的には課税ベースの拡大が行われています。この件は以前から取りざたされていたのですが、今回の改正で相続税の基礎控除額(※1)が大幅に引き下げられています。
相続税の基礎控除額は、具体的にはこれまで、5千万円に法定相続人の数×1千万円を加算した額でしたが、改正後は3千万円に法定相続人の数×6百万円となり、改正前の6割にまで引き下げられました。例えば相続人が配偶者と子供2人の計3人の場合の相続税の基礎控除額は、改正前は8千万円でしたが、改正案では4千8百万円となり3千2百万円の引き下げとなっています。つまり、これまでは遺産の総額が8千万円以下の場合は相続税が課税されなかったのですが、改正後は4千8百万円を越えるとその越えた分に対して課税されることになります。このため、今まで相続税がかからなかった方でも課税となる場合がありますので、今後しっかりと対策を講じておく必要があります。
なお、平成23年度税制改正案(不成立)であがっていた生命保険金の非課税の見直し(同一生計等要件)は今回の改正では織り込まれませんでしたので前月号でお話しした通りのままとなります。なお、これらの改正は、来年平成26年
平成27年1月1日以降(※2)に開始する相続から適用になる見込みです。次回は、税率の引き上げ等その他の改正内容をご紹介する予定です。
(※1)遺産の総額が、この相続税の基礎控除額を超えますと相続税が課税されることになります。
(※2)「平成27年1月1日以降」に訂正しました(4月時点)。