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その37(りらく2014年3月号)
お蕎麦屋さんとその裏山

 仙台市内で何十年ぶりかの大雪となった日の翌日、山形県は村山の奥にある次年子(ルビ=じねんご)というところにスキーに行ってきました。
 次年子という地名の由来は、雪が大変多いこの地域では子供が生まれても、次の年の春まで待たないと山を降りて出生届を出しに役場まで行けないとのことで付けられたそうです。
 次年子には手打ちの蕎麦屋さんが何軒かあり、現在は道路もきちんと除雪されており、冬でも営業しています。その中のある蕎麦屋さんの裏山に閉鎖されたスキー場の跡地があり、ここで滑るのが今回の目的です。この地区の標高は200mそこそこなのですが、ふかふかの雪が降り積もっていて、しかもリフトも何も無いので今では地元の人も含め滑りに来る人はほとんどいないようで、誰のシュプールも付いていない真っ新なゲレンデを滑ることが出来ます。 自分だけのシュプール

 

 今回は、この時期(2月初旬)にしては珍しく快晴で、おまけに昨日までの雪がたっぷり降り積もっています。早速車を蕎麦屋さんの駐車場に停めさせてもらい、そこから一人シールをつけたスキーでゲレンデを登っていきます。リフトもロープ塔もないので自分の足で歩いて登るしかありませんが、これもイイ運動になります。
 20分程登って頂上に着いたらシールをはずし、いよいよ急な斜面に飛び込みます。最近のスキー場は、営業前に雪上車でゲレンデを圧雪して滑り易くしている所が多いのですが、ここは踏み固められていないふかふかの深雪です。ちょっとバランスを崩しただけであっという間に転んで雪まみれになってしまいますが、ふわふわの雪面を、バランスを取りながら滑り降りるのは、まるで雲の上を歩いているような感覚で、普通のスキー場では味わえない異次元の世界です。
 何本か登っては滑り降りるのを繰り返したら、そろそろお腹が空いてきました。斜面を下まで滑り降りれば、そこは件(ルビ=くだん)のお蕎麦屋さんです。大根汁に蕎麦つゆを注いで食べるここのお蕎麦は、食べ放題で何杯食べても料金は同じ。お天気にも恵まれ、深雪と戯れて程々に疲れた体にお腹いっぱいの美味しい手打ちのお蕎麦で、とても満ち足りた一日となりました。


七兵衛そば

 変わって税金のお話しです。前回まで土地や建物などの不動産を売却した場合の税金についてお話ししてきましたが、今回は土地ではなくゴルフ会員権を売却した場合の税金についてです。ゴルフ会員権は、そのゴルフ場の会員になると会員でない利用者よりも安い料金で優先的にそのゴルフ場でプレイすることができる権利で、他の人にその権利を売ったりすることができます。その昔バブルの頃には、ある東京近郊の由緒あるゴルフクラブの会員権が4億円もした時代もありましたが、バブル崩壊後はゴルフ会員権の相場も低迷しているというのが現状です。
 このゴルフ会員権ですが、買ったときの値段より安く売った場合は、損をしたことになりますが、その損失は確定申告をすることによりその売った方の給与や年金その他の所得と通算することができます。例えば、以前1000万円で買ったゴルフ会員権を100万円で他の方に売った場合は、900万円の損が出ますが、その方の給与や年金の所得が300万円ある場合は、300万円から900万円の損失を差し引くとマイナスとなるので、その給与や年金の所得がゼロとなり、その年の所得税や住民税は均等割りを除いてゼロとなります。

 ところで、今年の税制改正でこのゴルフ会員権の売却による損失を他の所得から差し引くことができなくなりますのでご注意ください。なお、今年の3月末までに売却した会員権については従来通り他の所得と通算できますので、値下がりしている会員権を売るなら今のうちです。
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