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その43(りらく2014年9月号)
嵐の前の静けさ

 7月の下旬、美味しいお魚を食べたくて閖上港に釣りに行ってきました。例年夏になると仙台湾一帯でアジやサバ等の青魚が釣れるのですが、今年は未だお目にかかっていません。アイナメなどの根魚も今シーズンは何故か不漁です。
私の場合、海釣りはほとんどカヌーです。長さ4メートル程の一人乗りで、小型の魚群探知機を備えています。また、釣れた魚がいたまないよう後ろには氷を入れたクーラーボックスも積んでいます。釣れた魚をその場で絞めて入れておけば、その晩は獲れたての新鮮な魚が食卓を賑わします。
カヌーでの釣りの魅力は、何といってもその機動性です。パドル一本で船体を自在に操り、魚がいるポイントまで行って釣り上げます。動力は付いていないので船上も静かです。聞こえるのは波や風の音だけ。もっとも、釣りも操船も自分一人で行わなければならず、二の腕が頼りです。
早朝、装備一式を積んでいざ出発。カヌー本体は30キロ近くありますが、コツをつかめば一人で車の屋根に載せることができます。今回は午前中しか時間が取れず、近場の閖上港に向かいます。閖上は町並みの再建はまだまだですが、瓦礫の撤去が終わって港湾の整備が進行中で、岸壁や防波堤には大分釣り人が戻ってきました。

二連掛かり 車からカヌーを降ろし、釣り道具一式を積んで海に漕ぎ出します。目的のポイントに着いて竿を出し、汐の流れに乗って当りを待ちます。しばらくして時折魚探に魚の反応が出はじめました。何かしら魚の群れが船体の真下にいるようです。そう思った瞬間、突然当たりがあり竿の穂先が水中に引き込まれます。久し振りの強い魚信です。軽く合わせて様子を見ていると、また強い魚信があり竿が大きくしなります。重くなった竿を慎重に巻き上げると陽光に反射して水中から白い魚影が見えてきます。どうやらイシモチのようです。おまけに2匹掛かっています。その後も何匹か掛かり久し振りの大漁に満足です。残念ながらアジやサバは今回も釣れませんでしたが、イシモチも刺身や、お味噌に薬味を加えてナメロウにするととても美味しい魚です。

イシモチ まだ時間もあり、もう少し釣りたかったのですが、風が出てきてさざ波が立ち始めました。しかも戻る方向に対して向かい風です。外海で大風に吹かれたら、カヌーではひとたまりもありません。早々に舳先(ルビ=へさき)を港に向けて退散です。何とか湾内に戻ると陸上では砂塵が舞っているではありませんか。早々に引き返して正解でした。
山も海も自然の力は強大です。常に五感を働かせて天候や周りの状況の変化を敏感に感じ取ることが、身の安全を守る上でとても大切です。そういう意味では、日常の生活で鈍感になった動物的な感覚を取り戻すにはアウトドアが一番です。釣り上げたイシモチはナメロウにして美味しくいただきました。


 さて、税金のお話です。先日私の事務所に某自治体から「ふるさと納税」の案内が届きました。自治体の関係者の方がこの「りらく」の記事をご覧になられたのでしょうか?だとすれば大変嬉しいことです。

 私は、その自治体がある地域に何度か渓流釣りや山菜採りで行ったことがあり、以前から愛着を感じていました。またその案内を拝見したところ、私の大好きな地酒がプレゼントでいただけるようです。その案内には「ふるさと納税」の使い道も複数具体的に明記してあり、私はその内の「定住化・交流促進事業」を選びました。私は今年何件かに分けて「ふるさと納税」をする予定ですが、そのうちの一件はこれで決定です。今年は、釣った魚を肴に「ふるさと納税」で各地のいろいろな地酒を楽しむつもりです。皆さんも如何ですか?

 

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