風薫る新緑の季節となりました。5月ともなりますと渓流にもようやく遅い春が訪れ、釣公房達がこぞって訪れるようになるのですが、今回は未だ雪で覆われた3月の初釣行のお話です。場所は泉ヶ岳の源流域です。アプローチにはスキーを履き、ザックを背負って山の奥を目指します。外見上はとても釣師には見えませんが、ザックの中には、フライ用の竿と渓流釣に必要な道具一式が入っています。
ポイントの近くに着いて、ひと休みしていると、雪上ハイキングを楽しむパーティやカップルがさらに上を目指して、追い越して行きます。辺りに誰もいなくなったのを見計らって、スキーを脱ぎ、ザックを背負ったまま斜面下の渓流に降りていきます。今年は雪解けが例年より早く、その分水量も多くて期待に胸が膨らみます。
早速持参したフライロッドを組み立て、リールをセットしてフライ(毛針)をラインの先に結びます。この時期は渓魚の餌となる川虫の羽化がまだ始まっておらず、川面には小さな蚊の類くらいしか舞っていませんので、使用するフライもそれに似せた、かなり小さなものになります。目が良くなければ、遠くに飛ばしたら見えなくなってしまうほど小さなフライを、竿を振って「ふわっ」と、先ずはポイント手前に送り込みます。徐々にポイントの奥の方へとフライを飛ばし、3投目で出ました、イワナが。しっかりとフライを咥えています。すぐにリリースして2匹目を狙います。今度は流心から少し外れた緩い流れにフライを落とし、ゆっくりと手前に流れ始めた瞬間。「バッシャッ」と音がしてイワナがフライに襲いかかりました。結構強い引きで水中を必死で走ります。岩の隙間に逃げ込まれないよう先手必勝で水面まで引き上げ、なんとか手繰り寄せます。お腹が橙色をした居着きのイワナでした。見ればそれほど大きくはありませんが、じゃじゃ馬をうまく釣り上げることができて満足です。帰sりは、再びスキーを履いて麓まで一気に滑り降りました。
次は、前回に引き続き「空き家」に関するお話です。今や空き家は、どの街でも日常的に見られる風景となっています。そして、街の景観だけではなく火災や衛生上の問題など市民の日常生活にも影響が出るほどになっています。
国土交通省は昨年、空き家対策特別措置法という法律の全面施行に併せ、所有者に対し、除却、修繕等指導や勧告、命令などが必要な空き家(「特定空家等」といいます)の判断の基準となるガイドラインを作成し公表しています。
それによりますと、「特定空家等」に該当するかどうかの判断基準として4つの状態を例示しています。1つ目は「倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態」。2つ目は「著しく衛生上有害となる恐れのある状態」。そして3つ目は「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」とし、4つ目は「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」としています。
以上の基準に該当する空き家について、市町村長は、その所有者などに対し適切な対策を行うように助言、指導、勧告、命令をすることができ、また、行政代執行法に基づく適切な措置を講じることもできるようになっています。