4月下旬、宮城側の蔵王町と山形側の上山市を結ぶ蔵王エコーラインが全通したので、早速スキーを車に積んで刈田岳まで行きました。昨年の今頃は、「お釜」の周辺で火山性地震が頻発し、「火口周辺警報」が出て、中央蔵王に位置するお釜周辺一帯が入山禁止となり、その影響でエコーラインも6月の下旬まで通行止めとなっていました。その後、通行止めは解除されたのですが、今もお釜周辺は立ち入り禁止となっています。
刈田岳は、この冬も何度か登りましたが、冬場はエコーラインの中腹にあるスキー場「すみかわスノーパーク」からリフトを何本か乗り継ぎ、ゲレンデの最上部からはシールを貼ったスキーで約2時間ほど歩いて登ることになります。雪上ハイキングみたいなもので、それはそれで楽しいのですが、エコーラインが全通すると刈田岳下の駐車場まで車で行け、そこから数分ほどスキーを担いで歩けば、滑るには絶好の斜面が待っています。エコーラインのおかげで謂わば良いとこ取りの春スキーが楽しめるという訳です。
当日は、車道の方は結構な交通量でしたが、曇りの天気予報が出ていたこともあってか、エコーライン全通直後の休日にもかかわらず、広い一枚バーンの斜面には私以外誰も来ていません。車道から斜面に這い上がり、ステップカット(※)のスキー板をはいてザラメ状になった雪の斜面をしばらく登っていくと、刈田岳の避難小屋近くに至ります。
そこから登ってきた斜面を振り返れば、北東方向には遠く船形連峰が、南東方向には屏風岳をはじめとする南蔵王の峰々が間近に迫って見えます。体の汗が乾くまで暫くの間、絶景を楽しんだ後は、いよいよダウンヒルです。未だ誰のシュプールも付いていないまっ更な斜面を、連続ターンを描きながら一気に滑り降りました。 さて、後半は今月も「空き家」に関するお話です。前回、ひどい状態にある空き家は、国が定めた「特定空家等」に該当し、固定資産税が高くなったり、行政指導によりその所有者に対して過料(罰金)が課されることをご紹介いたしました。
では、実際にこのような「空き家」をお持ちの方は、今後どのようにしたら良いのでしょうか? 先ず第一には、空き家は持ち主がきちんと日頃から維持管理しておく必要があるということです。しかし、維持管理には費用や手間がかかります。ましてや、空き家が遠方にある場合は、維持管理も容易ではありません。
二つ目は、空き家をどなたかに賃貸する方法です。しかし、築年数が相当経過している場合は、結構なリフォーム費用がかかることを覚悟しなければなりません。
三つ目ですが、建物を取り壊し、更地にしてしまうことです。ただし、この場合は、建物を取り壊すことにより建物に対する固定資産税はなくなりますが、固定資産税の住宅用地の特例適用対象宅地に該当しなくなりますので、土地に対する固定資産税が数倍に跳ね上り、税金の負担が重くなります。家の中の家財の処分費用や建物の解体費用等もばかになりません。
それでは、いっそのことどなたかに売却したらどうなるのでしょうか? 通常、土地や建物を売却した場合、売却代金から土地や建物の取得費(築年数に応じた償却費控除後の金額)と仲介手数料等の譲渡費用の合計額を差し引いた残額(これを「譲渡益」といいます)に対して20・315%(保有期間5年を超える長期譲渡の場合で、内5%は住民税、0・315%は復興特別所得税)の譲渡所得税が課税されることになるのですが、一定の空き家を売却した場合は、この譲渡益の金額が3千万円までは課税されないことになりました。次回は、この新しい空き家対策税制について詳しくご紹介したいと思います。
(※=斜面を登ることができるように、滑走面がうろこ状になっている)