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その68(りらく2016年10月号)
皆で設営

 我が家ではこの夏、お盆休みを利用して、久しぶりに孫も含め総勢9名でファミリーキャンプを楽しみました。行った先は、南三陸町と石巻市との間にある神割崎キャンプ場です。ここは、子どもたちが未だ幼いころから何度か訪れていて、釣りや海水浴も楽しめ、ファミリーキャンプには打って付けのサイトです。

キャンプ場に着いたら、先ずは適当な場所を確保し、タープを張ります。夏場は強い日差しを避けるため必需品です。設営は皆で協力して行います。ただの野っ原(実際には有料です)が、この2日間の衣食住の拠点となるのです。子ども達も慣れたもので、あっという間にタープが立ち上がり、その下に椅子やテーブルが並びます。焚火の用意もできて、先ずは皆で乾杯です。久しぶりに子どもや孫たちが集まり、お互いの近況や子育てのことなど、話も弾みます。私と云えば少々張り切り過ぎてお酒のペースも早すぎたせいか、とっぷりと日が暮れる頃には一番最初に夢の世界へと落ちてしまいました。

磯部で孫と寛ぐ 乾杯!


  今回から、空き家等を含め不動産を売却して残ったお金などの老後の財産管理についてお話ししてみたいと思います。
 個人の方が所有している財産と申しますと、おもに現金、預貯金、株式や債券などの有価証券、それに不動産や生命保険・損害保険などではないでしょうか。他に金の地金や宝石等を保有していらっしゃる方などもおられると思います。今回は、これらの財産の内、現金や預貯金など、いわゆる「お金」に関する老後の管理についてご紹介します。有価証券や自宅以外の不動産等もご自分がお元気なうちに売ってしまえば、お金に換わりますのでそういったものも含むと考えてください。
 お金は、旅行や飲食、医療や介護など、必要に応じてご自分の意志で思った通りに使うことができます。逆に申しますと、お金以外の有価証券や不動産は、それを買ってくれる相手がいなければお金に換えることができませんし、相手がいたとしても売却の手続きや値段の交渉などお金に換えるまでに時間や手間暇がかかります。このような財産は、多くの場合、年齢を重ねるにしたがって何もできないまま、お亡くなりになってしまうケースが殆どです。そういった意味では、お年寄りにとりましてはお金が一番頼りになる財産ではないでしょうか。
 ところで、ご本人がいつの日か大きな病気やケガをして長期の入院を余儀なくされたり、あるいは認知症にかかって、ご自分で何も判断することができなくなってしまったら、その方のお金はどうなるのでしょうか? 残念なことに、ご自分のお金なのに自由に使えなくなってしまう可能性が大きいのです。
 例えば、認知症になってしまった場合、未だ初期の段階で、ご自分の名前や生年月日等、本人確認ができるのであれば預貯金の出し入れなどは可能ですが、更に症状が進んで本人確認もできなくなると、その方の財産は全て「成年後見人」という他人の管理下に置かれ、事実上凍結されてしまうことになります。そして、ご本人がお亡くなりになると民法という法律のもと、お子さんや配偶者の共有の財産になってしまうのです。また、お子さんや配偶者がいなければ、その方のご兄弟が相続人となり、そのご兄弟もいなければ、さらに遠縁の甥や姪にご自分の財産が行ってしまうことになります。生前に何も対策をしておかなければ、自分の財産なのに、自分で財産の行方を決めることができなくなってしまうのです。

 生前にご自分の納得がいくよう適切にお金を使い、残った財産はお金を含めご自分の意志で亡くなった後の行き先を決めておくのが一番ではないでしょうか? 次回から、その具体的な方策をご紹介したいと思います。
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