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その70(りらく2017年1月号)

 11月の小春日和に、ワカサギ釣りに行ってまいりました。ワカサギ釣りというと、厚く氷の張った湖面に穴をあけて釣りをするイメージですが、今回は、カヌーに乗っての釣りです。場所は川崎の釜房湖です。以前からワカサギ釣りの場所として有名でしたが、橋の上やダムサイトでの釣りは禁止されてしまいました。カヌーのようなエンジンが付いていない船ですと、事前に申請をしておけば湖面に出ることができます。

 ポイントに着いて早速釣り糸を垂れると、直ぐに小さなアタリが竿先に伝わってきました。ワカサギは、体長5センチ前後の小さな淡水魚ですが、大物釣りとは異なる繊細なアタリが魅力です。アタリが来ても直ぐに引き上げないで、小さく竿を煽りながら暫く何匹かワカサギが仕掛けに食いつくのを待ちます。すると2匹、3匹、4匹と掛かってきます。小1時間ほどでたくさんのワカサギが釣れました。その晩は、獲れたての新鮮なワカサギを唐揚げにして美味しくいただいたのは言うまでもありません。

 

 前回は、老後の財産管理の第一歩は、元気なうちにご自分の財産のリストを一覧表にまとめておくこと、とお話ししました。不動産(家屋、土地)、預貯金、有価証券(株式、債券)、貴金属や宝石類、貸付金(他の人にお金を貸している場合)など、種類ごとに分類しておけば、財産をこれからどう維持し、家族に残していくか、あるいは処分していくかを具体的に考えることができるようになります。また、認知症が進行するなどしてご自分で財産を管理することができなくなっても、一覧表があれば家族の方や周りの方が管理していく際に大変有益な資料となります。
 ある調査機関の遺産相続問題に関するアンケート調査によりますと、実際に相続人間の争いよりも先に問題になるのが、そもそもお金、土地、借金がいくら、どこにあるのかわからないことだそうです。また、遺産相続発生時に、残された家族が、故人の印鑑や通帳のしまい場所さえ知らなかったという回答が多数あるとのことでした。そういった意味でも、ご自身で予め財産のリストをまとめておくことは、後で周りの方々に迷惑をかけないためにも大切です。
 次に、個々の財産に関する管理の方法についてお話ししてみたいと思います。最初は不動産です。自宅と自宅以外の不動産に分けて考えてみましょう。ご自宅の方は生活の拠点ですので、先ずは建物の維持管理が大切ですが、いずれは手放すかご家族の方に引き継いでもらうか考えておく必要があります。同居しているご家族がいれば、あまり心配ありませんが、ご夫婦だけとか既に配偶者を亡くされ一人暮らしの場合は、将来建物の維持管理が難しくなってくる心配があります。また、どちらかが寝たきりになったり自力でトイレに行くこともままならなくなったりした場合に備えて、自宅を処分しサービス付きの賃貸住宅や老人施設に移るということも考えておく必要があります。ご自分が現在住んでいる自宅を売却した場合は、譲渡所得(売却代金からその土地を買った時の代金や諸費用等を差し引いた金額)が3千万円以下の場合は、税金(譲渡所得税、住民税)はかかりませんので、売却代金のほとんどをお金に換えることができます。これは、マンションを売却した場合でも適用になります。
 ご自宅の不動産の値段が安く、不動産の売却代金だけでは、他に移り住むことができないといった場合は、手持ちの預貯金も含めて将来に向けた生活費を確保しておく必要があります。そうした意味からもご自分の財産の全体像をつかんでおくことが肝要です。
 次回はご自宅以外の不動産をお持ちの場合について考えてみたいと思います。

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