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その74(りらく2017年5月号)

 各地から桜の開花の声が聞かれる季節となりましたが、冬真っ只中の2月上旬、磐梯山の西に位置する雄国沼を訪れてみました。雄国沼は6月下旬から7月初めにかけて黄色い可憐なニッコウキスゲが湖畔一帯に咲き、多くのハイカーで賑わう名勝地ですが、冬場は一面雪に覆われるため、来訪者は冬山装備の登山者や私のようなバックカントリー装備のスキーヤーに限られます。

  那須での雪崩があった前日の日曜日、私は月山の麓、志津温泉から少し月山方面に上がった山形県立自然博物園(ネイチャーセンター)付近にスキーに行っていました。当日はお天気も良く、このネイチャーセンターからは、出羽三山の一つである湯殿山へ登るルートもあるのですが、足元の積雪の状態を見ると最近降雪があったようで、サラサラの雪が斜面に20センチほど積もっており、その下は一旦表面が解けて硬くなった層があり、急斜面では雪崩が起きそうな状態でした。そこで、頂上は目指さず麓の雪崩の起きる可能性の少ない斜面で山スキーを楽しむことにしました。湯殿山々頂付近の大斜面は無木立の一枚バーンで、スキーヤーにとってとても魅力的な斜面ではあるのですが、今年はこの季節でも降雪が多く、斜面の状態が落ち着くのはまだ先と判断したのです。
 まさかその翌日、あのような雪崩による遭難事故が起きようとは思ってもいませんでした。亡くなられた若い高校生の方々と引率の先生のご冥福をお祈り致します。


 変わって、高齢者の方の預金管理についてのお話です。前回もお話ししましたが、多くの方は老後の生活に必要な資金は、金融機関に預貯金として預け入れて、それを引き出して生活費等に充てておられると思います。預金を引き出すには、金融機関まで行かなくてはならず、お元気なうちは問題ないのですが、足腰が弱ってくると出かけるのも容易ではなくなってきます。同居している家族の方がおられれば、それをお願いすることもできますが、お一人で生活されている方にとりましてはそれも叶いません。
 そのような場合には、各自治体(市町村)の社会福祉協議会が行っている「日常生活自立支援事業」というサービスを利用することができます。福祉や介護に関する公共の支援は、自治体の窓口や地域包括支援センターを中心に行われており、全国の自治体に置かれている社会福祉協議会や民間のNPO団体などと連携して福祉、介護に関するサービスを提供しています。物忘れがひどくなり、契約や諸手続き、お金の管理を一人で行うことに不安を感じている方は、一度早めに自治体の窓口に相談されると良いと思います。
 日常生活自立支援事業では、次のようなサービスが利用できます。なお、相談は無料です。サービスを利用する場合には多少の費用がかかりますが、かなり低廉な料金となっているようです。
1.支払や諸手続き
 医療費、福祉サービス利用料金の支払い、年金の受給、納税、電気・ガス・水道などの公共料金の支払い、預貯金の引き出し、日用品の購入など
2.預金通帳や書類の管理
 預金通帳、実印、銀行印、年金証書、保険証書、不動産権利証書等の管理
3.日常生活に必要な事務手続き
 住宅の補修工事の相談、住民票の届け出、訪問販売などのクーリングオフの利用手続きなど
 以上のように、結構幅広い内容となっていますので、このようなサービスをうまく活用すれば、より安心な老後を過ごすことが可能です。

 次回もお年寄りの財産管理に関する支援サービスについてご紹介したいと思います。
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