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その75(りらく2017年6月号)

 ゴールデンウイーク前の4月下旬、八甲田山へ行って参りました。今回は、ガイドの方が主催するスキーツアーで、ガイドの方を含め計4名のパーティでの山行です。八甲田は、4月でも山域全体が深い雪で覆われていて降雪もあり、ルートを熟知しているガイドに案内してもらわなければ、私のようなレベルの登山者の場合ですとかなり難しい山なのです。

  仙台からガイドさんの運転する車で八甲田に向かいます。残念なことに、北に向かう程雲行きが怪しくなって、青森県に入ると雨模様の天気になってしまいました。
 八甲田の麓のロープウエイの乗り場に着くと、駐車場には雪が積もっていました。山頂付近は風速17m以上の風が吹いているとの情報でしたが、とりあえず上がって様子を見ることにしました。ロープウエイを降りて外に出てみると、思ったほど風が吹いていません。おまけにガスも次第に晴れて視界も効くようになったので、ガイドさんの判断で当初計画していたルートより風下側の短いルートを滑ってみることにしました。おかげで風があまり入り込まずガスも晴れて快適なスキーツアーとなりました。

 その晩は近くの温泉に宿泊したのですが、夜からの雨が朝になっても残っており、翌日も前日同様期待と不安の入り混じった気分で再び登山口に向かいました。ところが、ロープウエイで上がってみると、昨日同様天候が回復して、晴れ間も覗いているではありませんか。山の天気はわからないものです。おかげで2日目は八甲田でも一番長いルートを滑ることができました。2日続けてこんなにラッキーな天候に恵まれるなんて、参加した皆さんの日頃の行いが良かったのでしょう。加えて、ガイドさんの的確な判断でトラブルもなく楽しいスキーツアーとなりました。


 変わって、高齢の方の財産管理についてのお話です。前回は、各自治体(市町村)の「社会福祉協議会」が行っている「日常生活自立支援事業」についてご紹介致しました。このサービスは民間ではなく各市町村が主体となって高齢者向けに実施しているので、安心して任せることができます。
 ところで、この「日常生活自立支援事業」は、ご自身が未だ判断能力があり、体力が低下して外出することが難しくなった場合やご病気で動けなくなった場合等に銀行への預金の出し入れや納税、各種料金の支払い手続き等を依頼できるサービスですが、ご自身の判断能力が著しく低下してくると、使えなくなってしまいます。
 認知症等にかかってしまい、ご自身で判断することができなくなった場合は、成年後見制度等、別な方法でご自身の財産を管理していかなければならなくなります。この成年後見制度は、被後見人の日常の財産の管理・運用を家庭裁判所が選任した成年後見人に一任し、かつ裁判所が管理・監督するもので、被後見人に代わって成年後見人が日常の預金の管理や不動産等その他の財産の管理運営を行う仕組みです。
 成年後見制度は、大きく分けると「任意後見制度」と「法定後見制度」の2つがあります。 任意後見制度では、自分の判断能力が将来衰えたときに備えて支援してくれる任意後見人(「任意後見受任者」ともいいます)や支援してもらいたい内容を予めご自分で決めておくことができるようになっています。従って、ご自身で判断能力がある内に、任意後見の契約を交わしておく必要があります。そうしておくことにより、将来、ご自分の判断能力が十分でなくなったと判断されるときには、その「任意後見受任者」が家庭裁判所に申立を行う事で、任意後見が開始される仕組みになっています。
 次回は、この成年後見制度についてもう少し詳しくお話してみたいと思います。

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