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その90(りらく2018年9月号)
尾根沿いのルート

 7月の三連休を利用して、北アルプスの燕岳つばくろだけ(標高2763メートル)に登ってきました。日頃は蔵王や月山など、地元東北の山を登ることが多いのですが、北アルプスをはじめ日本の中部地域の山塊は岩稜が多く、標高も3千メートル級の山が連なっており、東北の山にはない魅力があります。中でも燕岳は比較的登り易く、人気も高く「北アルプスの女王」とまでいわれているようで、以前から登ってみたい山の一つでした。

ブナの森 三連休の前の晩、相棒と二人で仙台から車で一路、運転を交代しながら北アルプスの表玄関である安曇野に向かいました。人気の山だけあって登山口のある中房なかぶさ 温泉の周辺は、梅雨明けした後の最初の連休ということも重なって、大変な混雑ぶりでした。登山道も我々の前後に、登山者の姿や楽しそうな話し声が途切れることはなく、大変賑やかな山歩きとなりました。
 山頂近くには立派な山小屋( 燕山荘えんざんそう)があり、テラスからは遠く富士山や南アルプスの山並みに加え、穂高連峰、槍ヶ岳、立山連峰等、幸運にも日本アルプスの山並みを全て眺めることができました。

七ツ森 ところで、燕岳の山小屋の近くにはテン場(幕営地)があるのですが、標高は2700メートルです。なかなかこれだけの標高にあるテン場というのはお目にかかる機会がないので、今回はテント泊としました。テン場には、既に多くのテントが張られていて満杯に近い状態となっていました。設営してみると張綱が隣のテントのそれとクロスするくらいの過密度合いで、まるで東京都内の住宅密集地域のような印象です。これも東北の山ではまずあり得ないことで、良い思い出となりました。
 翌朝も晴天に恵まれ、無事燕岳の山頂を踏むことができました。山頂からは、前日同様、雄大な景色を堪能しました。昔から「梅雨明け十日」とはよく言ったもので、梅雨明け後の晴天に恵まれ、今回登ったのは一座だけでしたが、日本アルプスの多くの山並みを2日間連続して同時に眺めることができて、大変充実した山行となりました。


 さて後半は、「教育資金の一括贈与の特例」についてのお話です。前回は、「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」についてお話ししましたが、これと似た贈与税の特例が、この「教育資金の一括贈与の特例」です。これは、30歳未満の子や孫に、教育資金を一括贈与した場合、一人あたり1500万円までは贈与税が非課税となるというものです。結婚・子育て資金もそうですが、子や孫の教育資金を親や祖父母がその必要に応じて負担した場合、元々贈与税は課税されないのですが、この特例を利用すると事前に一括で教育資金を贈与することができ、その場合1500万円までは贈与税が非課税となる点が特徴です。この場合の対象となる教育資金ですが、大学等の学校の入学金、授業料、学用品代、修学旅行費、学習塾代、通学定期券代や留学渡航費用等、対象範囲もかなり広いものになっています。 次回は、この「教育資金の一括贈与の特例」と、前回ご紹介した「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」を、相続税の生前対策として活用した場合の留意点についてお話ししてみたいと思います。
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