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その95(りらく2019年2月号)
尾根沿いのルート

 昨年の秋から青葉区の西部に移り住んだのですが、新居にはかねてからの夢であった薪ストーブを導入しました。これまで、キャンプ等で焚火には親しんできたのですが、この冬からは自宅に居ながらにして毎日焚火の楽しさを味わっています。
薪ストーブの燃料は、当然のことながら薪です。主にナラやクヌギなどの広葉樹が材料としては火持ちが良く適しているのだそうですが、売られている薪は結構なお値段なのです。東北の山には、建築材料となる杉やヒノキがたくさん植えられている他、雑木といわれるナラやクヌギも至る所に生えているのですが、薪は人件費の塊みたいなもので、山の中の立木を伐採して薪にするまで全て人手に頼らざるを得なく、お値段の方もそれなりの金額になってしまっているのが現状です。

ブナの森 幸運なことに、私が代表を務める会計事務所の顧問先に植林事業を営んでいる会社があり、社長さんのご好意で、山に生えているナラやクヌギを分けていただけることになりました。そのかわり、自分で現地まで行って伐採した木を切り出し、自宅まで運ばなければなりません。立木の伐採は危険が伴うので会社の方にやっていただき、倒していただいた木を現地で、「玉切り」というのだそうですが薪の長さの丸太に切断した後、車に積んで自宅まで持ち帰ります。その丸太を薪の太さに割って家の周りに積み上げ、約1年間乾燥させて、やっと薪ストーブ用の薪が出来上がります。日頃からスキーや山歩きで体を鍛えているつもりでしたが、重たい丸太を運ぶだけでも結構な重労働です。

七ツ森 しかしながら、来シーズン暖かい冬を過ごすために必要な作業と思えば、苦になりません。むしろ、これら一連の作業は、山登りやスキーとは違って実益も兼ねているのですから、より贅沢な趣味であるといえなくもありません。おまけに体まで鍛えられて、これからのアウトドアライフには欠かせないアクティビティとなった次第です。


 話は変わって、今年は改正された民法のお話を何回かに分けてしてみたいと思います。今般の民法の改正は、昨年国会での決議を経て公布されました。成人年齢の引き下げや債権法の改正等、かなり広い範囲に及んでいるのですが、私は税理士ですので、相続に関する規定の改正に絞ってお話をしたいと思います。
 因みに現在の民法は、明治29年に公布され、戦後間もない昭和22年には親族・相続に関する大きな改正があり、その後も幾度かの改正を経て今回の大規模な改正に至っています。民法は、市民生活における市民相互の関係を規律する法律です。いわば市民の生活に直結した法律で、その時々の社会の変化に合わせ改正されてきました。
 相続に関する今回の主な改正は次の通りですが、次回から少し詳しくお話しして参りたいと思います。
・配偶者居住権の創設
・遺産分割をめぐる不公平感の是正
・自筆証書遺言制度に関する見直し
・遺留分制度に関する見直し
・相続の効力等に関する見直し
・相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

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