梅雨の晴れ間を狙って、釣りに行って参りました。当日の予報は曇り時々雨でしたが、こんなお天気の方が、実は渓魚の活性も高くフライ(毛バリ)フィッシングには好条件なのです。
当日は、早朝自宅を出て山形へ向かいました。国道からはずれ、曲がりくねった林道をしばらく行くと、目指す渓流があります。早速身づくろいして入渓します。先ほどまで小雨が降っていたようですが、丁度上がって川面も滑らかです。フライをうまく飛ばして、ふわっと水面に落とすことができれば、水中にいる渓魚からはよく見えるはず。水量も多過ぎず少なすぎずで、好条件が揃い身震いする思いです。
ところが、一点問題がありました。蜘蛛の糸が何本も渓流を横切っていて、フライを投入しようとすると蜘蛛の巣に引っかかってなかなか目指すポイントに飛ばすことができません。この時期は渓流でよく見られる現象なのですが、なかなかこちらの思うようにはいかないものです。
しばらく悪戦苦闘して渓流を遡上していくと、少し開けたプールのように広いポイントに着きました。以前もまずまずのサイズのイワナを釣り上げた記憶がある場所です。イワナが付いていそうな岩陰の近くへ慎重にフライを投入します。一投目は何の反応も無くフライが流れていきます。二投目は更にもう少し上流の方に投入したところ、突然「バシャ」っと水面からイワナが飛び出してフライが水面から消えました。これに呼応するように反射的に竿を立て、合わせます。竿が大きく弓なりに曲がってそのまま持っていかれそうになります。どうやら大物がヒットしたようです。慎重に釣り糸を手繰り寄せ、ランディングネットに取り込んだところ、尺(30センチ)をゆうに超える大イワナでした。見ると大きくあいた口の奥にフライが飲み込まれていました。写真を撮り、フライを慎重に外して渓にそっと戻すと、悠然と流れに戻って行きました。久しぶりの大物に自然の恵みを感じながら、充実した釣行となりました。