久しぶりにカヌーで遊んでみました。私の場合は、川ではなく主に湖や海岸でカヌーを漕ぎながら釣りをするのが目的です。カヌーを使いますと、獲物がいるポイントまで近づくことができますので、よりアグレッシブな釣りを楽しむことができます。あたかも北極のイヌイットがカヌーでアザラシやセイウチを追いかけるかのような気分を味わうことができるという訳です。
9月の上旬、車の屋根にカヌーを積んで閖上港に向かいました。閖上港は、震災から8年が経ち、港湾の整備も大分進んで、岸壁にはたくさんの釣り人が来ていました。彼らの邪魔をしないように注意しながら、カヌーを漕いで防波堤の先へと向かいます。狙いは名取川の河口付近にいるサバやイシモチなどの青物だったのですが、防波堤に着いた辺りから風が強くなってきました。風速5メートル以上は吹いているでしょうか。防波堤の突端の河口付近を見ると、風で波が立っています。諦めて防波堤の内側で竿を出すことにしました。風が結構吹いていますので、念の為シーアンカーと呼ばれる小さなパラシュート状の流れ止めをカヌーの先端から出します。こうすることにより船体が常に風上に向くようになり、真横から風を受けて転覆するのを防ぐことができるのです。
しばらく、釣り糸を垂れて様子を見ましたが、全く反応がありません。そうこうするうちにさらに風が強くなってきました。これ以上吹いてくると危険ですので、竿を仕舞いシーアンカーも回収して戻ることにしました。海は逃げ場がありませんので気象の変化を先読みし、迅速に対応することが大切です。
結局、期待した獲物はゲットできませんでしたが、風と波が変化する中、カヌーならではの自然とのやり取りを味わうことができて満足な釣行となりました。