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その103(りらく2019年10月号)
初夏の渓流

 久しぶりにカヌーで遊んでみました。私の場合は、川ではなく主に湖や海岸でカヌーを漕ぎながら釣りをするのが目的です。カヌーを使いますと、獲物がいるポイントまで近づくことができますので、よりアグレッシブな釣りを楽しむことができます。あたかも北極のイヌイットがカヌーでアザラシやセイウチを追いかけるかのような気分を味わうことができるという訳です。

自製のフライ 9月の上旬、車の屋根にカヌーを積んで閖上港に向かいました。閖上港は、震災から8年が経ち、港湾の整備も大分進んで、岸壁にはたくさんの釣り人が来ていました。彼らの邪魔をしないように注意しながら、カヌーを漕いで防波堤の先へと向かいます。狙いは名取川の河口付近にいるサバやイシモチなどの青物だったのですが、防波堤に着いた辺りから風が強くなってきました。風速5メートル以上は吹いているでしょうか。防波堤の突端の河口付近を見ると、風で波が立っています。諦めて防波堤の内側で竿を出すことにしました。風が結構吹いていますので、念の為シーアンカーと呼ばれる小さなパラシュート状の流れ止めをカヌーの先端から出します。こうすることにより船体が常に風上に向くようになり、真横から風を受けて転覆するのを防ぐことができるのです。

毛バリを飲み込んだ大岩魚

 しばらく、釣り糸を垂れて様子を見ましたが、全く反応がありません。そうこうするうちにさらに風が強くなってきました。これ以上吹いてくると危険ですので、竿を仕舞いシーアンカーも回収して戻ることにしました。海は逃げ場がありませんので気象の変化を先読みし、迅速に対応することが大切です。

自製のフライ 結局、期待した獲物はゲットできませんでしたが、風と波が変化する中、カヌーならではの自然とのやり取りを味わうことができて満足な釣行となりました。


 今回も前回に引き続き、昨年新設された民法の特別寄与料のお話です。亡くなられた方の生前に、療養看護や身の回りの世話等を行っていた方が法定相続人以外であっても、遺産の一部を受け取る権利が認められるようになりました。特別寄与料の支払いが認められる要件をまとめますと、次の3つです。
•被相続人に対してその生前に無償で療養看護その他の労務の提供をしたこと
•そのことによって被相続人の財産が維持又は増加したこと
•その方が被相続人の親族(被相続人の6親等内の血族又は3親等以内の姻族)であること
これら3つの要件全てを満たしていれば、相続の開始後、全ての相続人に対して特別寄与料の請求を行うことができます。
ところで、この特別寄与料を受け取った場合ですが、その金額に対して相続税が課税されることになります。そしてその相続税の申告・納付の期限は、特別寄与料の額の決定があった日から10ヵ月以内となりますので注意が必要です。なお、その被相続人の遺産の額が相続税の基礎控除額を超えていない場合は、特別寄与料に対する相続税の課税はありません。
なお、この特別寄与料の制度ですが、本年7月1日以降に開始した相続から適用となりますので、心当たりのある方はご検討されてみては如何でしょうか。
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