10月の最終日、鳥海山で一足早くスキーの初滑りをしてきました。
10月と云えば、街ではまだ秋という感覚ですが、東北の山々は10月も半ばを過ぎると初雪の便りが聞かれる頃です。現地の方から頂上付近が大分白くなってきているとの情報を得て、ちょうど週末ということもあり、鳥海山へと向かいました。
登山口付近は未だ雪がうっすらと積もっているだけでしたが、標高が上がるにつれ積雪も多くなり、1700メートルを過ぎたあたりからはスキーの板にシールを付けての登行が可能となりました。今年の6月以来のシール登行ですが、久しぶりに新雪を踏む感触は格別です。
外輪山まで上がって新山に礼拝し、今シーズンの無事を祈ります。そしていよいよシールを外して滑走です。未だ誰も滑っていない斜面を、最初は雪の状態を確かめながら慎重に板を操作して滑ります。次第に体全体の動きの感覚が戻ると、あとはところどころで頭を出している岩を避けながら、テレマークターンを決めて一気に滑り降りました。振り返れば、自分が付けたシュプールが1本、ひと筆書きのように残っていました。山スキー冥利に尽きる一瞬です。
今回も、前回に引き続き自筆証書遺言書の具体的な作成事例を紹介したいと思います。前回は、法定相続人が妻と子の場合でした。
今回の事例は、ご本人に妻(または夫)や子どもがおらず、両親もすでに亡くなっていて、法定相続人が兄弟姉妹のケースです。妻や子どもがいない場合、親が一人でも存命であれば親が法定相続人となりますが、両親が既に亡くなっている場合は、兄弟姉妹が法定相続人となります。
この場合、例えばご本人の意向として兄弟姉妹には遺産をやる考えがなく、他の親しい方(例えばAさんとしましょう)に遺産を差し上げたい場合、遺言書にAさんに遺贈する旨を書いておけば、全ての遺産をAさんに差し上げることができます。
遺言書
私は、私の所有する全ての財産をAに遺贈する。
住所:○○県○○市○○町2丁目3番4号
氏名:A(フルネーム)
生年月日:平成2年11月10日
令和2年12月1日
住所:○○県○○市○○町1丁目2番3号
遺言者 〇藤 〇夫 印
以上のように、遺言の内容は極めて簡単です。注意したいのは、Aさんは法定相続人ではないので、「相続させる」ではなく「遺贈する」と書かなければならないことです。
そして、国の遺言書保管制度を利用すれば、その遺言書を国が安全に保管してくれますので、遺言書が紛失してしまったり、改ざんされたりする心配もありません。
次回は、遺言と遺留分の関係についてご説明したいと思います。