梅雨から夏にかけての時期は、イワナやヤマメなどの渓流釣りのベストシーズンです。6月の中旬、釣り道具とキャンプ道具一式を車に積んで、青森方面に釣行に出かけました。
十和田湖畔のキャンプ場にテントを設営し、ここを拠点に近くの渓流に棲む渓魚を狙います。十和田湖と云えば奥入瀬渓流が有名ですが、観光客が多いせいか魚もスレていて釣りには適しません。
十和田湖に流れ込む、とある渓流に行ってみました。辺りは、青々としたブナやナラの木々が生い茂り、晴れていても木々の葉を通して陽が差すだけですので、森の中全体が緑の光線に満ち溢れていて別世界に入り込んだような感覚になります。
渓魚の活性が高いので、フライも渓魚の大好物の蛾に似せた大き目のものをセットして大物を狙います。早速、流れが蛇行して緩んでいるポイントに向け、竿を振ってフライを飛ばします。フライがポイントの少し先まで飛んで、ひらひらと水面にゆっくり落ちて間もなく、突然水面を割って何かがバシャッと音を立てて飛びつきました。一呼吸おいて竿を立てるとビビッと震え、腕にたしかな感触が伝わってきます。上手くフッキングできたようです。渓魚の方は、何とか逃れようと下流に向けて猛スピードで突っ走ります。岩の間や倒木の隙間に逃げ込まれると万事休すです。こちらは逃がしてはならじと、しなった竿をコントロールして慎重に少しずつ手許に引き寄せます。
手前まで寄せると結構大きなイワナの魚体が見えました。目が合ったらまたバシャバシャと激しく暴れましたが、何とかネットに取り込むことができました。よく見れば30センチ弱の、尻尾の大きなイワナです。また次回楽しませてもらうことにしてフライを外し、イワナ君をそっと流れに戻しました。自分は渓魚とのやり取りに思いを馳せ、充足した気分を味わったのでした。
前回、遺言書がなく、相続人間の遺産分割協議により遺産を分ける場合の具体的相続分の計算方法についてご説明しました。その際、過去に被相続人から生前贈与を受けた分は、相続する遺産の額から控除して具体的相続分を計算することになるわけですが、実は贈与者の意向により生前贈与財産を加算しないで遺産分割するようにすることも可能です。
生前贈与財産を遺産分割の際の具体的相続分に加算することを「生前贈与財産の持ち戻し」というのですが、その持戻しを免除する旨を贈与者の意向として贈与契約書に明記しておくことができます。そうすることによって、持戻し免除された生前贈与財産は、具体的相続分の計算から除外されることになります。
贈与は書面を作成しないで口頭で行うことも可能ですが、贈与契約書を作成し、その内容や持戻し免除の有無を明記しておくことで、その後の相続時の相続人間のトラブルを避けることができるというわけです。
また過去に行った贈与財産について、後になって持戻しの免除をしたい場合は、その旨を記載した受贈者宛の覚書に実印で贈与者の署名捺印をし、公証役場で確定日付(その覚書が確実にその日に存在した〔その日までに作成された〕ことを公証人が証明したもの)を取っておくと良いでしょう。確定日付を取るための費用は数千円です。