このところ朝晩の気温が下がってきて、だいぶ秋らしくなってまいりました。先日、自宅で使う薪ストーブ用の燃料となる薪作りの作業が終わり、家の周りに設けてある薪棚も満杯になって、来たるべき冬への備えができました。
毎年、里山の雪が消える3月下旬から薪作りは始まります。山から薪の材料となる玉木を切り出し、それを自宅に運び薪割機で割って薪にするのです。割ったばかりの薪は、未だたくさんの水分を含んでいますので、これを薪棚に積んで1年以上乾燥させてから薪ストーブの燃料として使うことになります。山スキーや渓流釣りの合間を縫って、毎年春から夏の終わりにかけてこれら一連の作業を行っています。
薪の材料は、ナラやクヌギ、カエデなどの広葉樹が主です。特にドングリがなるナラとクヌギは十分に乾燥させても材質が固く締まっており、熱量と燃焼時間の両面で薪に最も適した材質であると言われています。それだけに、森の斜面に倒してあるこれらの木を長さ40センチ程の玉木にカットするのは、馬力のあるチェーンソーを使用しても、直径が30センチを超えるとなかなかの重労働です。さらに、山中でカットした玉木を林道まで下ろし、車に積んで自宅に運ぶのも全て手作業で行いますので、怪我をしないよう十分な注意とそれなりの体力も必要です。玉木を自宅に運び、これを薪割機で薪の太さに割り、全て薪棚に積み終われば作業は完了となります。
作業自体は大変ですが、これもアウトドアライフの大きな楽しみとなっています。一連の作業が終わって自宅の周りに設置してある薪棚が満杯になると、寒い冬を前にして心も満たされた気分となるのです。
変わりまして、前回に引き続き生前贈与のお話です。前回は相続税対策における生前贈与の有効性についてお話しいたしました。今回から、生前贈与とこれに関わる贈与税の取扱いや特例についてお話ししてまいりたいと思います。
先ずは、前回の復習ですが、お持ちの財産を子や孫へ生前に贈与しておけば、その分相続税の課税対象財産を減らすことができるのですが、贈与に関しては、贈与税の課税対象となる点に注意が必要です。贈与税は、財産をもらった方(=受贈者と言います)に課税される税金で、その年の1月から12月までの間に贈与を受けた財産の合計額が贈与税の基礎控除額である110万円を超えると、その超えた金額に対して10%からの贈与税が課税されます。
年間110万円の贈与税の基礎控除額は、決して少ない額ではありませんので、相続財産を減らす対策として基礎控除額以内での生前贈与を毎年行えば、10年間で1100万円もの財産を無税で減らすことができます。贈与対象者が2人いればその倍の2200万円となり、その分相続税の課税対象財産を減らすことが可能となるわけです。
なお、贈与税は基礎控除額の年額110万円を超える場合は、受贈者自らが贈与税の申告を行って期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)までに納税しなければならないことになっています。年間に贈与を受けた財産の金額が贈与税の基礎控除額を超えているかどうかもご自分で計算し判断しなければなりませんので、贈与する側も贈与を受ける側も、贈与税に対する最小限の知識が必要です。次回からさらに詳しく贈与税の基本的な事項や特例についてお話ししてまいりたいと思います。