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その133(りらく2022年4月号)

 今年は最近になく雪の多い冬でした。蔵王の樹氷も近年になく大きくなっているとのことで、去る2月の中旬、宮城蔵王の澄川スキー場からスキーを履いて樹氷見物に行って参りました。澄川スキー場の先からスキーの板に滑り止めのシールを貼って、刈田岳方面に向かいます。当日は晴れて風も無く、絶好のスキーツアー日和でした。
 刈田岳の手前からは除雪前の蔵王エコーラインをたどって、山形方面を目指します。既に刈田岳の斜面に真っ白な樹氷を点々と見ることができます。やがて、道が平坦になり、山形県との県境付近にまで至ったところで前方の視界が一気に開けました。そこには、なだらかな斜面に大小の樹氷群が地平線まで続く絶景が広がっていました。その景色を前にして、思わず「オオ!」と声が出てしまいました。真冬の厳しい自然が織りなす造形美には、観る人の心に響くものがあります。しばらくその絶景に見入った後、シールを外して爽快なパウダースノーを楽しんだのでした。

キャンプ道具一式を背負ってテントの中でモーニングコーヒー
パウダースノーを満喫


 変わって、生前贈与のお話です。贈与者の死亡により相続が開始すると、その相続により財産を取得する方が、その被相続人(贈与をした方)から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産がある場合は、相続税の計算上、その生前贈与財産が相続財産に加算され相続税が課税さるという決まり(生前贈与加算)になっていることを前回お話しいたしました。
 この生前贈与加算ですが、相続開始前3年以内に贈与を受けていても加算の対象とならない生前贈与の特例が4つほどあります。その一つが、今回ご紹介する配偶者への居住用財産等の贈与です。「オシドリ贈与」とも呼ばれているものですが、婚姻期間が20年以上の配偶者間で、居住用不動産(土地・建物)または居住用不動産を取得するための資金の贈与を受けて新たに居住用財産を取得した場合、これらの贈与金額のうち2千万円までは贈与税が課税されません。なお、これとは別に贈与税の基礎控除額の110万円も適用されますので、併せて2110万円までは贈与税が課税されないというものです。なお、居住用財産の贈与を受けた配偶者は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その居住用不動産に実際に住んでおり、その後も引き続き住み続けることが条件です。また、金銭で贈与を受けて新たにそのお金で居住用の住宅を新築したり、その敷地を購入する場合は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅が完成して居住していることが要件です。
 なお、ご夫婦で現にお住まいになっているご自宅の全部または一部を配偶者に贈与する場合も、この取り扱いが適用可能です。
 ところで、もともと相続においては、配偶者が取得した財産は、相続財産の総額の2分の1か1億6千万円までは、相続税が課税されないことになっているので、手間暇をかけて夫婦間で居住用財産を生前贈与する必要はないと思われる方もおられるかと思いますが、このオシドリ贈与は、配偶者の他に子ども等の相続人がいる場合、子どもが相続した財産に対する相続税が軽減される効果があるのです。さらに、もう一つの効果として相続時の遺産分割の面でも配偶者にとりましては有利な面があります。その詳細は、次号で詳しくお話ししたいと思います。

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