寒かった冬が終わると、私のアウトドアでの活動の方にも変化が出てまいります。4月には、山は山でも「雪山」ではなく、「里山」での薪作りの作業が始まるのです。自宅にある薪ストーブ用の薪の準備です。
薪の材料は、ナラやクヌギのような広葉樹が最適といわれています。これらドングリの木は木目が詰まっており、火持ちが良く火力もあって昔から木炭の原料とされてきました。
知り合いの方のご厚意により、毎年その方が所有する山林に生えているコナラを譲っていただいております。里山に降った雪が解けカタクリの花が咲く頃から数ヵ月間、現地で短く薪のサイズにカット(玉切りといいます)し、自宅まで運ぶ作業が続きます。
山林での作業は危険を伴い、体力も使うのですが、暖かい冬を過ごすためには欠かせません。現地で40センチほどに玉切りした丸太を山から運び出し、これを自宅で割って一年ほど乾燥させると立派な薪が出来上がります。自分で使う薪を自分で作る。その作業自体、結構大変ではあるのですが楽しくてしょうがありません。
前回よりオシドリ贈与(夫婦間における居住用財産等の贈与)の特例についてお話をしています。今回は、このオシドリ贈与が、相続税対策として有効である点をさらに詳しくご説明したいと思います。
その前に、相続税の仕組みを簡単にご紹介しておきたいと思います。相続税は、相続又は遺贈(亡くなられた方からの遺言による贈与)により財産を取得した方に課税される税金です。相続税は、遺産の総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に、その超える部分の金額に対して相続税が課税される仕組みとなっています。この課税された相続税は、各相続人が取得した財産の額の割合に応じて夫々納税することになります。
なお、遺産の総額がこの基礎控除額を超えていなければ、相続税は課税されませんし、申告の義務も生じません。
ところで、遺産の額全体が相続税の基礎控除額を超えていても、配偶者が相続により取得した財産については、遺産の総額の2分の1か1億6千万円まで、相続税が課税されないことは前回もお話しいたしました。一方で、配偶者以外の子や孫が相続した財産に関しては、そのような特例は適用されないので相続税が課税されることになります。
相続税を少なくする、あるいは相続税自体をかからなくするには、この基礎控除額を超える遺産の総額をいかに少なく抑えるかが重要になってきます。そのため、保有する財産(=遺産)を生前に配偶者や子どもに贈与しておくことが相続税対策として有効とされているわけです。
オシドリ贈与は、この遺産全体の金額を少なくすることにより、配偶者以外の相続人に対して課税される相続税を少なくする、あるいはかからなくする効果があるのです。
さらに、このオシドリ贈与は、相続税の節税効果だけでなく生存配偶者の遺産の分割協議や遺留分対策上も有利です。その詳細は次回お話ししたいと思います。