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その147(りらく2023年6月号)

 ゴールデンウィークを利用して秋田と山形の県境にそびえる鳥海山(標高2236m)へ春スキーツアーに行ってまいりました。東北では福島の燧ケ岳(ルビ=ひうちがたけ)に次いで2番目に高い山で、12月から3月までの厳冬期は日本海からの猛烈な北西風が山の斜面に直接吹きつけ、積雪も多く、人を寄せ付けない厳しい山です。それでも4月に入りますと晴れる日も多くなり、毎年この時期に、多くの登山者や山スキーの愛好者が訪れています。
鳥海山にはいくつかの登山口がありますが、今回は、除雪が終わって4月末に開通したばかりの遊佐(ルビ=ゆざ)町側の鳥海ブルーラインを利用して車で上がり、標高1千mの大平口からスキーを履いて入山しました。登山口から頂上の新山まで約6kmほどあるのですが、今回は外輪山の手前にある扇子森(ルビ=せんすもり)(標高1759m)というピークを目指します。それでも片道距離で4kmほどあります。夏の時期とは違い、頂上まではまだ一面雪で覆われていますので、視界さえ良ければ、携帯しているGPSで現在位置を確認しながら、ほぼ直線の最短距離で高度を稼ぐことができます。
当日は、風が少し強かったものの晴天に恵まれ、目指す扇子森のピークに午後1時半頃には着くことができました。ここまで来れば、もう鳥海山の頂上は目前ですが、一休みして滑降の準備に取り掛かります。あとは登山口までお楽しみのダウンヒルが待っています。幸い視界を遮るガスもなく、青空の下、真っさらの雪の斜面が広がり、緊張と期待で胸が高鳴ります。
滑り出しは慎重に、雪面の状態を確かめます。ザラメ状になった雪は、板がよく走り、ターンも快適です。少し滑って振り返ると、シュプールがきれいなS字の連続となって、一筆書きのように斜面に付いていました。ここまで自らの足で登ってきた甲斐があったというものです。お天気に恵まれ、登山口まで標高差750mの、連続する長大な斜面をスキーで堪能することができました。

 


 話は変わって、生前贈与のお話です。前回お話ししたように、相続税の精算課税制度が改正され、この制度を活用しての生前贈与の方が暦年課税による生前贈与よりも有利となるケースが多くなると思います。暦年課税と同様に年額で110万円の基礎控除額が新たに設けられたこと、さらに、将来贈与者が死亡して相続が開始した際に、その相続財産に加算される生前贈与の金額もこの110万円を除いた金額となりました。これまでは、この制度を選択した年以降、わずかな金額の贈与であっても税務署への申告が必要でしたが、この基礎控除額が新たに設けられたことにより、今後は、年額110万円以内の贈与であれば、精算課税を選択していても税務署への申告は不要となりました。
なお、この精算課税制度においては、新たに設けられた基礎控除額の年110万円とは別に、従来から2500万円の控除額があります。これは、この制度を選択した場合、それ以降、何年かに分けて贈与を受けた場合でも、贈与金額(今回新たに設けられた基礎控除額110万円を含みます)の累計額で2500万円までは贈与税は課税されないという意味です。この金額を超えて贈与を受けた場合は、一律20%の贈与税が課税されることになります。
この改正が適用となる、来年以降この制度を活用して相続税対策を検討されてはいかがでしょうか?

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