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その152(りらく2023年11月号)

 9月の三連休を利用して、岩手県の葛根田川水系へ2泊3日のキャンプ&フライフィッシングを楽しんで参りました。仕事仲間のフライマンが集まって東北各地の渓流をキャンプしながら楽しむ毎年恒例のイベントです。
釣り道具、テント、クーラーボックス等を車に満載し、集合場所の仙台空港から一路、網張温泉キャンプ場をめざします。キャンプ場に着いて、まずはタープやテントを設営し、近くの網張温泉で汗を流します。夜は、焚火を囲んで宴会です。さすがに9月も半ばを過ぎますと高原の夜は冷えます。最近は皆、年を重ね、釣りだけでなくこうした食事の場が楽しみです。今回は天ぷら。エビや野菜などを丁寧に串に差し、焚火でサクッと揚げます。揚げたての天ぷらの何と美味しいこと!
翌朝は晴天に恵まれ、各自思い思々のフライを飛ばしてイワナやヤマメを釣り上げ、帰りは温泉にどっぷりと浸かり、日ごろの疲れを十分に癒したのでした。

焚火で天ぷらを食す/揚げたてのエビ天
大堰堤
綺麗なチビヤマメ


 さて、生前贈与に関するお話をしていますが、今回は、相続税の申告と生前贈与の関係について、少し詳しくお話ししたいと思います。
税理士が相続税の申告のご相談をいただくと、まずは法定相続人や被相続人の財産の調査をさせていただくのですが、同時に、被相続人が生前に贈与した財産の有無も確認することになっています。これはどういうことかと申しますと、相続開始の日から遡って3年以内(来年以降に開始する相続に関しては、その遡及年数が4年から7年まで毎年1年ずつ延長されます)に行った相続人への生前贈与は、相続税の課税対象となる相続財産に加算して相続税を計算することになっているためです。
また、この生前贈与財産の確認は、相続開始の日以前7年前まで遡って行います。相続税の申告を行いますと、相続税の申告案件の約5件に1件くらいが税務署の実地調査の対象となり、その際に、相続税だけでなく贈与税の調査も同時に行われることになります。そして、その贈与税の時効が贈与税の申告期限から6年以内となっているため、念のため贈与税の申告漏れがなかったかも確認する必要があるのです。
ところで、贈与は当事者間で秘密裏に行うことが可能ですが、相続税の申告が必要となるようなケースでは、この相続税の生前贈与加算の対象となる贈与があった場合には、相続税の申告書にその生前贈与の財産の詳細及び金額を記載することになります。また、相続税の申告書は、相続人一人ずつではなく、相続(遺贈を含みます)により財産を取得した相続人(受遺者を含みます)全員の連名で申告することになりますので、この段階で、だれがどれだけ生前に財産をもらっていたのかを他の相続人も知ることになるわけです。
しかも来年以降は、この生前贈与加算の遡及年数が毎年1年ずつ長くなり最終的には7年となりますので、相続権のある配偶者や子どもに生前贈与を行う際には贈与契約書を作成し、また同時に残りの財産に関してもどの財産をだれにどれだけ相続させるのか、きちんと遺言書を作成しておくことが、相続でのトラブルを未然に防ぐ重要なポイントとなります。

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