sp
その158(りらく2024年5月号)

 里山に積もった雪も消える季節になりますと春本番。そろそろ薪(まき)刈りの作業を始めなければなりません。自宅の暖房は主に薪ストーブで、薪はすべて許可を得て、知り合いの工務店さんが所有する里山に入り、原木を切り出して調達しています。薪の材料は、コナラ、カエデや山桜等の広葉樹です。
 4月の上旬、その里山に入り、林道脇に積んである長さ2メートルほどの原木をチェーンソーで薪の長さと同じ40センチほどの長さにカットする作業を行いました。これを玉切り作業と言います。安全対策として、ヘルメット、チェーンソー専用の防護ズボン、耳栓が欠かせません。まずはこれらの装備で身なりを固めてからチェーンソーを始動します。
 静かだった森にチェーンソーのエンジン音が響き渡ります。いよいよ原木にチェーンソーの刃を入れてカットしていきます。エンジンが唸りを上げ、刃が原木に喰い込んでいきます。刃はあらかじめ研いでありますので、たいして力は必要ないのですが、何せコナラなどの広葉樹は大変硬く、そう簡単には切り出せません。あっという間に体中から汗が噴き出してきます。2時間余りかけてワゴンの荷物室に切り出した玉木をめいっぱい積み込んで、山中での作業は終了です。
 薪づくりの作業は、これで終わりではありません。自宅に戻り、今度は切り出した玉木を薪割機や斧で薪の太さに割る作業が待っています。そして、割った薪を家の周りに設置してある薪棚に積んで一連の作業は完了です。そのまま2年間自然乾燥してやっと良質な薪が出来上がります。大変な作業ではありますが、薪ストーブのおかげで寒い冬も体の芯まで暖められ、心豊かに過ごせるというものです。

深雪のラッセル 深雪のラッセル
深雪のラッセル


 話は変わって、生前贈与のお話です。前回は現金や預金を贈与する際の贈与契約書の具体的な作成方法をご紹介しました。今回は、土地や建物等の不動産を生前贈与する際の贈与契約書の記載方法についてご紹介致します。
 土地や建物には、必ずその所在を示す「地番」が付されており、それは法務局に登記されている土地や建物の登記情報を入手することによって確認することができます。贈与する土地や建物を贈与契約書に記載する際には、この地番を正確に記載することがポイントです。ちなみに、「住所」とは違いますので注意が必要です。
 これらの不動産を贈与し、その名義を受贈者の名義に変更する場合は、受贈者が贈与契約書を添付して法務局に所有権の移転登記申請をする必要があります。 この所有権の移転登記は、任意(してもしなくても良い)ですが、贈与を受けた財産を受贈者の名義に変更しなければ、他の人にその不動産が自分のものであることを証明することができませんので、旧所有者の名義のままにしておきますと、将来その不動産を売却したり、その土地の上に新たに建物を建てたりする際に色々と問題が生じることになります。不動産の贈与を受けた場合には、受贈者の名義変更はどうしても必要ということになります。贈与を受けてからしばらくして移転登記をすることも可能ですが、その間に贈与契約書を紛失したり、贈与者がお亡くなりになって相続が発生した際に面倒なことになったりしかねません。

 なお、不動産の所有権の移転登記は、法務局に出向いてご自身で手続きを行うことも可能ですが、贈与契約書その他の書類をそろえて贈与者と共に登記申請書を作成し、法務局に申請する必要がありますので、司法書士等の専門家に依頼した方が確実です。次回は、これらの不動産を生前贈与する際の留意点についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。
sp