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その160(りらく2024年7月号)

 夏スキーと言いますと山形の月山が有名ですが、宮城蔵王でも楽しむことができます。今年は5月のゴールデンウィークあたりから、仙台市内の日中の最高気温が30度近くまで達し、初夏の陽気を超えて真夏に近い日も何日かありました。そんな5月の下旬、仙台市内の日中の最高気温が30度近くにもなった日、宮城蔵王のお釜近くの斜面で夏スキーを楽しみました。
お釜を望む刈田岳の周辺には例年ですと6月下旬まで大きな雪渓が残っています。今年は暖冬気味で、宮城蔵王も例外ではなく、エコーラインの雪の壁も例年よりは規模が小さく、また、エコーラインの開通後お天気が良い日が続いたせいか、あっという間に溶けて、消えてしまいました。
それでも、標高1700メートル近いお釜付近の沢には未だ雪渓が残っていて、それほど広くはありませんが、スキーを楽しむには十分な長さもあります。むろん、スキー場ではないのでリフトはありませんから、滑ったら上まで板を担いで登り返さなければなりません。私が使用しているスキー板はテレマークスキー用で、滑走面がうろこ状になっており、履いたままでも斜面を登ることができますので、リフトのない斜面を何度も滑っては登るような夏スキーにはもってこいです。
下界は夏でも、標高1700メートル近い雪渓の上は、日差しは強いですが涼しい風が吹いて爽やかです。スキーの仲間たちと思い思いに夏スキーを楽しんだのでした。

お釜を横目にテレマークターン! 急斜面も何のその 果敢に急斜面に挑む女性テレマーカー


 話はかわって、前回に引き続き、不動産の生前贈与についてのお話です。不動産の贈与に関しては、その不動産の時価が贈与税の基礎控除額(受贈者1人につき年間110万円)を超えると贈与税が課税されますが、夫婦間での居住用不動産の贈与(これを「オシドリ贈与」と呼んでいます)に関しては、その不動産の相続税評価額(公示地価の8割相当額)で2000万円までは贈与税が課税されないという特例があります。この特例を受けるためには、夫婦間の婚姻期間が20年以上で、かつ、受贈者である配偶者がその贈与を受けた居住用不動産(居住用の建物およびその敷地)に居住するというのが要件です。
例えば、婚姻期間が20年以上であるご夫婦で、現在お住まいのご自宅の敷地や建物の一部または全部を一方から片方へ贈与した場合、その贈与した敷地や建物の相続税評価額が2000万円までは贈与税が課税されません。この2000万円の他に贈与税の基礎控除が110万円ありますので、合わせて2110万円までの居住用財産の贈与は贈与税がかからないことになります。

 もっとも、わざわざご自宅の土地建物を生前に夫婦間で贈与しなくとも、所有者である配偶者が亡くなり、相続人である生存配偶者がそのご自宅である居住用不動産を相続すれば、よほどその居住用不動産が高額でない限り相続税はかからないのですが、このオシドリ贈与を活用して贈与者である配偶者の相続財産を生前に圧縮しておくことにより、他の相続人が相続により取得する財産に対して課税される相続税も安くなるというメリットがあります。次回は、この点に関して少し詳しくご紹介しましょう。
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