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その162(りらく2024年9月号)

 7月の中旬、瀬戸内海の明石にタコ釣りに行ってまいりました。この時期、東北はまだ梅雨明け前ですが、関西は梅雨も明けて天候が安定するので、例年仙台からわざわざタコ釣りに行くのが恒例となっています。明石のタコは、明石海峡の潮流に鍛えられ、小ぶりですが、身が締まって弾力があり、とても美味しいので有名です。
タコ釣りは、「エギ」というエビに似た擬餌針に重りを付けて海に沈め、着底したら竿を小刻みにシャクります。おびき寄せられたタコがエギを抱いた瞬間に、竿を大きくシャクってしっかりとフッキングさせたうえで釣り上げます。タコが針に掛かると「ズン」とした重みが竿を通して二の腕に伝わってきて何とも言えない感覚です。釣り糸が弛むとあっという間に逃げられてしまいますので、リールを巻く手を緩めずしっかりと海面まで巻き上げるのがポイントです。幸い、お天気にも恵まれ、美味しい明石のタコをたくさん釣り上げることができました。

水芭蕉 リュウキンカ ハクサンイチゲ 快適な斜面


 前回、オシドリ贈与(夫婦間で行う居住用不動産の贈与)が、相続税対策になるとお話ししました。今回は、その具体的なお話です。
オシドリ贈与では、相続税評価で2110万円までは、贈与税がかからないのですが、生前にこれを行っておくことにより贈与者の相続財産(=遺産)がその分減少することになります。その結果、将来発生する相続税もその分少なくすることができます。
 相続税は、亡くなった方の遺産の額が、相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると相続税が発生します。例えば、法定相続人が配偶者と子ども1人の場合は、3000万円+600万円×2人=4200万円が相続税の基礎控除額です。
 仮に、遺産の額が1億円である場合、相続税の基礎控除額4200万円を超えた5800万円に対して相続税が課税されることになります。この場合の相続税額は770万円(=相続税の総額)となります。そして1億円の遺産のうち、生存配偶者がその半分の5000万円を相続し、残り半分を子どもが相続した場合、配偶者の相続税は385万円、子どもの相続税も385万円となります。このように各相続人が納める相続税は、相続税の総額を各相続人が取得した財産の割合に応じて按分して納税することになります。
一方、生存配偶者が取得した遺産に関しては、最大1億6000万円までは、相続税が控除されますので、生存配偶者に発生した385万円の相続税は、最終的には全額控除され相続税は0円となります。
 例えば、この1億円の遺産の中に居住用財産である建物(仮に評価額2000万円とします。)が含まれていて、これを生前にオシドリ贈与の特例を使って贈与していた場合は、遺産の額は1億円-2000万円=8000万円となります。その場合の、相続税の総額は470万円です。これを生存配偶者と子どもが半分ずつ相続したとすると、子どもの相続税は235万円となり、さきほどの事例と比べて150万円も安くなる結果となります。
 なお、これらどちらの事例でも、生存配偶者がすべての遺産を相続し、他の相続人は一切相続しない場合は、生存配偶者が相続する遺産の総額が1億6000万円以下ですので、結果的に相続税は0円となります。

 

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