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その163(りらく2024年10月号)

 前回に引き続き海釣りのお話です。今回はヒラメ釣りです。7月下旬、まだ夜が明ける前の早朝、遊漁船で漁場の相馬沖に向かいます。
エサは、生きているイワシを使います。ポイントに着いたら、イワシの鼻先に釣り針を掛け、大きめの重りで海底に沈めアタリが来るのを待ちます。場荒れしていない一投目が大事で、竿を船べりに固定して穂先をじっと見つめます。
すると、すぐにアタリが来ました。穂先が小刻みに震えています。これは前アタリと言ってエサのイワシにヒラメが反応しイワシがヒラメから逃れようと必死に逃げ回っているためで、まだヒラメが掛かったわけではありません。竿に手をかけ本アタリが来るのを待ちます。やがて、急に穂先が水面に飲み込まれそうになり竿が大きくしなります。ヒラメがしっかりとイワシを咥えた瞬間です。このタイミングを逃さず、一呼吸おいて両手で竿を持ち上げると「ズン」という重い感触が腕に伝わってきます。渾身の力でリールを巻きあげると50センチ余りの大きなヒラメでした。その後も何枚か良型のヒラメを釣り上げ、その晩の食卓で刺身にして美味しく頂くことができ、満足な一日となりました。

水芭蕉 リュウキンカ ハクサンイチゲ


 前回、オシドリ贈与(夫婦間で行う居住用不動産の贈与)が、相続税対策になるとお話ししました。今回はさらに具体的なメリットをご紹介したいと思います。
 オシドリ贈与は婚姻期間が20年以上の夫婦間で行う居住用不動産の贈与税の特例ですが、このオシドリ贈与の対象となる居住用不動産とは、居住用の建物及びその敷地を言います。贈与するのは、居住用の建物とその敷地、あるいは建物かその敷地である土地のいずれか一方のみでも構いません。相続税対策としてこのオシドリ贈与が有効なのは、建物のみを贈与する方法です。その敷地に関しましては、相続税の特例として、その面積の330平方メートルまでは、通常の相続税評価額から8割減額される特例(「小規模宅地等の特例」と言います。)がありますので、これは、生前贈与しないで相続により取得する方が有利です。建物に関してはそのような相続税の特例はありませんので、この建物だけを配偶者に生前贈与すると、その分、相続財産を少なくすることができます。
 また、このオシドリ贈与により贈与した財産は、その直後に贈与者が亡くなっても生前贈与加算はありませんので、相続税対策として大変即効性のある生前対策と言えます。
 このご自宅の建物のみをこのオシドリ贈与を使って一方の配偶者に生前に贈与しておけば、建物の相続税評価額相当額(=固定資産税評価額)の遺産の額を減らすことができる一方で、その敷地に関しては、その後の相続で取得することにより小規模宅地等の特例も受けることが可能となります。小規模宅地の特例は、建物の所有者が生存配偶者の名義になっていても、相続税の申告期限まで継続してその建物に居住していれば、適用されるからです。
 ご自宅が高層マンションの場合、建物の相続税評価は結構な額になることが想定されますので、建物部分のみをオシドリ贈与を活用して生前贈与しておけば、相続税の節減効果は一層大きなものとなります。
 さらに、ご自宅の建物を生前贈与しておけば遺産分割協議の対象にもなりませんので、生存配偶者の生活の場をあらかじめ確保しておけるという節税以外のメリットもあります。

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