ようやく涼しくなった9月最後の日曜日。秋保温泉の先の二口渓谷へ渓流釣りに行ってみました。二口渓谷は秋保大滝やさらにその先の磐司岩の景観が有名ですが、その磐司岩の北側には裏磐司という断崖絶壁があり、その下を大行沢(おおなめさわ)という渓流が流れています。今回は、この大行沢への釣行です。大行沢は、山形県との県境を源頭とし、大東岳の南斜面と磐司岩の北斜面に挟まれて深い渓谷を形成しています。
大行沢は、その名の通り平坦な川床(これを滑(なめ)といいます。)と岩場の連続で、岩場や滑の下の落ち込みに岩魚が棲んでいます。大岩魚を求めて、上流部まで断崖沿いのシングルトラックを2時間余りかけて向かいました。今回は釣りが目的ですが、大行沢の渓谷は県内でも有数の深い渓谷が山形との県境まで続いていて、登山道の途中には、大行沢へ流れ込む支流に白滝、雨滝などの滝があり、私のお気に入りのルートです。
谷が浅くなった地点から渓流に降り立ち、フライロッドを取り出して釣行開始です。フライ(毛バリ)は大きめのアント(蟻)パラシュートです。幸い前日に降った雨のおかげで水量もちょうどよい塩梅で、水面に落下したフライがうまく流れてくれます。何投目かで流れているフライが一瞬にして水面から消えました。岩魚が川面からフライを吸い込んだ瞬間です。このタイミングで竿を立てると穂先がしなり渓魚の動きが手に伝わってきます。逃してはならじと、慎重に釣り糸を取り込んで獲物を手元に手繰り寄せます。見れば尺(約30cm)近い岩魚がしっかりとフライを咥えていました。針を外し、来シーズンまた遊んでもらえるよう岩魚に感謝して再び渓流に返してやりました。
話は変わって、生前贈与のお話です。これまで不動産を対象とした生前贈与の方法や節税対策等についてお話しして参りました。今回は、不動産を取得するための購入資金の生前贈与のお話です。不動産の購入資金の生前贈与の方法としては、①暦年贈与、②相続時精算課税の特例を使った親や祖父母から子や孫への生前贈与、③親や祖父母から子や孫への住宅取得資金の生前贈与の3つの方法があります。
①の暦年贈与は、受贈者(贈与を受ける方)に関して年間110万円の贈与税の基礎控除がありますが、それを超えると高い税率で贈与税が課税されますので、高額な不動産の購入資金の贈与の方法としてはあまり適切ではありません。また、令和6年分の贈与では、暦年課税の贈与に関する生前贈与加算の遡及対象期間が、相続開始の日前4年以内となり、来年以降毎年5年、6年、7年と順次遡及年数が長くなります。
せっかく生前贈与しても、この生前贈与加算の期間が経過しない間に贈与者がお亡くなりになると贈与者の相続財産に加算され相続税が課税されることになります。なお、この暦年贈与に関しては、次にお話しする②の相続時精算課税の特例による生前贈与や③の親や祖父母から子や孫への住宅取得資金の生前贈与と違い、贈与者と受贈者との関係は一切問われません。