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その5(りらく2011年7月号)
イワナの棲む源流

初夏から盛夏にかけてはまさに渓流釣りのハイシーズンです。この季節、私は時間さえあれば近くの渓流に出かけ竿を出します。釣り方はいろいろで、フライと呼ばれる毛鉤を使ったり、ミミズやブドウ虫という蛾の幼虫、川虫と呼ばれるカワゲラやカゲロウの幼虫など、小さな水棲昆虫をエサにすることもあります。

川石に貼り付いている川虫

最初の頃は、鉤に付けることさえ気持ち悪かったのですが、今では虫たちが愛らしく思えます。川虫は釣り場にしている渓流で調達します。渓流は虫だらけといっても過言ではありません。川虫はそのどれもが人間にとって全く無害であるばかりでなく、よく見ると本当に綺麗な生き物です。

透き通る川底

清流にはミネラルや森の養分が含まれており、川虫はそれを糧として生活しています。渓流はやがて里川に下り、農業用水や飲料水として我々人間にもたくさんの恩恵を与えてくれます。最後には海へと流れ、海の生き物たちにもミネラルを供給しています。仙台も含め、都市の水道水はそのほとんどが近くの河川から取水しています。

清流に棲む川虫

それなのに人間はそれを知ってか知らずか、山にたくさんのゴミを不法に投棄しています。仙台から作並を経由して東根や天童に通じる作並街道沿いには広瀬川の源流が流れています。山形方面に向かって作並温泉を過ぎると小川程度の小さな流れになってしまいますが、そこにも岩魚たちが棲んでいます。街道沿いの渓流には主にコンビニの袋に入った食べ物の残りや飲みかけのペットボトルが無造作にたくさん捨てられています。軽い気持ちで「川」に捨てているのでしょうが、清流は泣いています。

直接川に捨てなくとも、山中でゴミを捨てればいずれ渓流に落ちていきます。山があれば必ずその麓は谷であり、ほとんど全て渓流につながっているのです。仙台市内を流れる広瀬川も名取川もどちらも地元の貴重な水資源であることを私達はもっと自覚すべきです。そして自分たちの河川をもっと大事にしましょう。


話は変って今回は贈与についてお話ししてみたいと思います。贈与とは無償でお金や物品を相手にあげることです。子供にあげるお小遣いや生活費を奥さんに渡すことも基本的には贈与になります。例えばAさんからBさんへ現金200万円をあげたとすると、これはAさん(贈与者)からBさん(受贈者)への贈与となります。

贈与に関する税金には、贈与税と呼ばれるものがあります。これは財産をもらった方(受贈者)に課税される税金です。上の例の200万円の贈与の場合、Bさんに対して9万円の贈与税が課税されます。この場合、贈与税の計算は贈与税の基礎控除額が受贈者一人について年間110万円ありますので、200万円から110万円を差引いた残額に対して贈与税の税率(金額に応じ10%から50%)を乗じて計算します。設例では基礎控除後の金額90万円に対して10%の贈与税が課税されるので贈与税額は9万円となります。

全ての贈与財産に対して贈与税が課税されるかというと、そうではありません。通常必要とされる生活費や教育費の贈与、社交上必要と認められるお香典、盆暮のお中元やお歳暮、お祝金、お見舞金など、社会通念上相当(社交上常識的な範囲内のもの)と認められるものに対しては、贈与税は課税されません。

なお、贈与税は受贈者自身が贈与税の申告書を翌年の3月15日までに税務署に提出して、自ら贈与税を納付しなければなりません。何もしないでいると無申告となってしまいますので注意が必要です。なお、年間に課税対象となる財産の贈与を受けた金額が贈与税の基礎控除額である110万円を超えない場合は、贈与税は課税されませんので申告も不要です。次回は、贈与についてもう少し詳しくお話しをする予定です。

「りらく7月号」掲載

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